資金調達

資金調達とは、「開業に必要なお金を、どのように用意するか」です。

開業スタイル(テナント・戸建て等)により増減しますが、開業するには資金が必要となるので、開業前に資金を調達する必要があります。

自己資金で賄える場合は、金融機関からの融資の必要はありませんが、稀なケースです。開業前に患者数を正確に予想することは不可能ですから、開業後に起こり得るリスクに備えて、自己資金の一部を手許に残し、出来る限り金融機関等から余裕をもって資金調達することが開業を成功させるためには大切です。

万一のリスクに備えつつ、開業後に盛業し手元資金に余裕ができたら繰り上げ返済をすればよいのです。

通常ですと事前準備をしておけば申込みから2~3週間程度で借り入れができます。

融資の時期等に関しても、実際の支払いのタイミングとの間に食い違いが生じないよう、スケジュールを鑑みた計画と実行とが求められます。

事業計画書を作成した段階で、

  • 土地や建物代
  • テナントの契約費用
  • 建築・内装工事の費用
  • 医療機器・備品にかかる費用
  • 人件費や経費
  • 運転資金や生活費等

が、概ね確認できていると思います。

テナント開業の場合は、

  • 敷金
  • 保証金
  • 契約に係る費用等

は先に自己資金で支払われることが一般的です。

土地の購入や建築が必要な場合は、工事費用等を事業計画に沿って融資による借入金で支払われることが殆どで、契約金等については別段融資または自己資金で対応される場合があります。

医療機器・電子カルテ・備品等は、リースとの兼ね合いもあり開業直前の導入が望ましいことから、融資を受けてから支払われることが殆どです。

資金調達法には複数の選択肢があります。

  • 自己資金
  • 身内からの資金
  • 公的制度融資
  • 日本政策金融公庫
  • 民間金融機関
  • 補助金・助成金
  • リース会社等

がありますが、一般的には金融機関に融資を申し込むこととなります。

それぞれ、金利はもちろん、開業エリアなどによる利用条件や、審査の期間や返済期間などが異なるため、比較検討が必要ですし、融資の入金時期や返済開始の予定も事業計画書とよく照らし合わせて、金利だけを見て慌てて決めてしまわない注意が必要です。

自己資金ゼロで金融機関等から借入れを行い開業することも不可能ではありませんが、自己資金は可能な範囲で準備することが大切です。

自己資金が乏しく担保や保証人等も用意していない場合、事業計画書が完璧かつ理想的な内容であっても、金融機関に対して開業への思い・意欲が伝わらず、社会的な実現度や説得力を感じさせることが難しくなり、交渉がスムーズに進まない可能性があるからです。

また、運転資金を充分に調達できなかったために、事業計画の途中でキャッシュ・フローが悪化(現金の不足)してしまうことも考えられます。

この場合、追加融資を取り付けても、融資の条件が当初より悪くなってしまうなど、後々のお金の流れにまで影響を与えてしまうといったことが起こり得るのです。

特に医療機器は、資金の総額や内訳などによって判断は異なってきます。

開業直後のリスクを最小限に抑え、変化にも柔軟に対応するという点から、基本的にはリースや割賦を優先したほうが安心ですが、金額が大きくても購入したほうがよい場合などもあり、効果的な振り分けが求められます。

医療機器に関する資金についても、無理なく無駄のない計画を立てていくことが大切です。

尚、金融機関は以下の内容をチェックして融資の審査をしています。

事業の計画性・返済能力あるか?

→事業計画書・物件契約書・所得証明書・金融機関残高証明等

面談による医師の人物像

医師になった理由・専攻診療科目を選んだ理由・開業を決意した理由・開業場所を選んだ理由等・クリニック理念・学歴・経歴は?

→履歴書・職務経歴書・クリニック理念等

家族の協力・承諾はあるか?

→家族構成等

どの金融機関に申込するかは、メリット等を含めて検討することとなりますが、金融機関等との面談の際には同席し、意志や希望をしっかり伝え、事業計画の説明・交渉等が必要となる場面をサポートいたします。

 

開業費について

開業を考えた時から開業準備のために支出した費用は実際の開業後に開業費として経費処理できます。

この開業費は繰延資産として資産計上し、任意に費用計上することが出来ます。

開業費例

  • 先輩開業医師と相談のための飲食費や手土産等の費用
  • 開業に関わる書籍の購入
  • 土地・建物取得のための仲介手数料、契約書等の印紙代
  • 求人のための広告料、面接会場費、採用・不採用決定通知書の発送料等

開業費のポイント

  • レシートまたは領収書をもらっておきましょう

使用用途をハッキリさせるために、領収書の裏面には、誰と何のための支出であったかをメモしておきましょう

 

顧問税理士は開業までに選定を!

税理士は巡回監査として

  • 月次試算表
  • 損益計算書
  • 賃借対照表
  • 年末調整
  • 決算書の作成等

の税務処理やアドバイスを行ってくれます。

しかし、とても重要なのは資金ショートを起こさないためのキャッシュフロー表(資金繰り表)作成と管理です。

記帳代行としてでなく、お金に関することを相談できるパートナーとして経営感覚のある税理士を開業前に選定しましょう。

弊社では、そのような税理士も紹介いたします。

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